La petite mort

こんばんは, シンです.
今回はタイトルが書きたい内容と一見関係なさそうに見えるのと, これを説明しないと意味の分からないポストになるので, 最初にタイトル回収をします.
La petite mortというのはご想像の通りフランス語の表現で, “小さな死”を意味する言葉です.
かなり昔に何かの本を読んでいて”petites morts”という表現が出てきて, オシャレな表現だなーと思いながら忘れていました.
が, 今回Emily in Parisを観ていたら同じものが出てきたので, 数年間の時を経てタイトルにしてしまいました笑
タイトルをアルファベットにするとリーダー数が激減にするので本当はしたくなかったですが数年ぶりの出会いとなると嬉しくなってしまいました…
しかもEmily in Parisの中だと, 本来の”小さな死”という意味ではなく, “オーガズム”という意味で使っているのです!
何そのオシャレな言い回し!笑
もうフレーズそのものがシャンソンなんですか??という美しさ…
どうやらここ100数十年は, 小さな死という意味から発展してオーガズムに近い意味で使うことが多いそうな…
私はマレー語というものが話せるのですが, そんなポエティックな表現ないぞ…
せいぜいクルアーンから来た概念だよねとか, 福建語から輸入した発音だよね, とかサンスクリットの影響を受けているよね…くらい笑
何その文化的成熟度を感じる表現…と勝手に感動しています.
そんなことを思いながら, ここ最近の活動で出会った外国人のことを思い返してみました.
ここ数年着付けの文化を在日外国人に紹介する活動をたまにやっているのですが, これまで共感してくれた人ってフランス人しかいないんですよね…そういえば.
インド人, ベトナム人, ドイツ人, 韓国人, ミャンマー人と色々と数百人に着付けについて, またそこから感じられる日本の文化について紹介してきたのですが, ノってくれたのはフランス人だけでしたね…
このめっちゃ細かい紐の文化凄くない?みたいな.
これまでは一緒に仕事をする上では筋肉質な感じでビジネスプロセスを積み上げていけば良いよねということで, ドイツ人やインド人やカナダ人の人とやりやすいなーとか思っていたのですが, 生活面だとある意味共通項を見出せるのはフランス人だったんじゃないかと…
この侘び寂びみたいな感覚を分かってくれる人ってそうそういないのでね.

 前座のつもりが結構話してしまいました.
今回は“詰めの甘い言動”について語っていきます.
最近人々の詰めの甘い言動に出会う機会が多く, 少し萎えています.
個人的には嘘をつくのって非常に嫌なのですが, このご時世誰でも嘘はつくものなので, あまり人が嘘をつくことについては気になっていません.
ただ嘘をつくのがすごい下手な人多すぎないかな??と…
相手が誰であろうと, どういう関係性であろうと, 一度ついた嘘はつき通して欲しいですし,
ついた嘘が論理的に矛盾しないように取り繕って欲しいと思う今日この頃です笑
先日ミュージシャンのYUIが過去の楽曲のリマスター版のアルバムを出したので, それをきっかけとして過去にめっちゃ聴いていた曲を再生しまくっています.
“Swing of lie”という曲の中に “嘘ならやめてって言ったけど 嘘もつけないような人はもっと嫌い”
というフレーズがあるのですが, これって本当にその通りやなと笑


以前”嘘”については過去のポストで語ったことがあるのですが, これの一番ショボい嘘の条件も満たしていない小さなショボい嘘に遭遇しております…
こういうショボい嘘の何が嫌かって, その嘘に気づいてしまうと私の中でその人の一部が失われてしまうんですよね.
私が名探偵性を凄く発揮して, 頑張って調査して暴いた嘘だったらまあ良いのですが,
自分で勝手に過去についた嘘と矛盾する発言をしてしまうことが多くて…
そうするとその人がめっちゃ頭が悪いか, 性格が悪いか, と考えてしまうではないですか.
私との関係性がめちゃくちゃどうでも良くて, とりあえず適当に嘘をついてチョロまかそう!とかだったら分からなくはないですが(客観的に見たら多分そこそこ上手くやっていた方が双方にメリットがあると思いますが), だとすればズルズルと話し合いを続けるのではなく, 切ってしまった方が楽じゃないかなと…
嘘は基本良くないですが, 頭が良い人であれば過去についた嘘との整合性を取ろうとできるので, 簡単に分かる嘘をつく人って性格が悪くて頭も悪いのでは?と最近思ってしまっています.
しょーもない嘘をつくことでその人の人間性の一部(というか人としての品格みたいなもの)は死に, 私の中でその人の一部は死ぬという…
まさにLa petite mortです.
もちろん最近使われている意味ではなく, “小さな死”という意味ですが, お互いの精神の中でお互いの存在の一部が失われる切ない現象そのものに少し辛くなるという…
このポストを読んでくださっている方はどうか, そのような詰めの甘い言動をしない様にしていただきたいものですね.

老害の正体

老害の正体

 こんばんは, シンです.
気づけばもう6月でかなり暑くなってきましたね.
まだまだクーラーはつけない予定ですが, どうやってクーラーをつけずに涼しさを感じることができるか考え中です.
そういえば小田原にある江の浦測候所というところに行ったのですが, ここにある枯山水的な庭が非常に良かったのでご紹介します.

龍安寺の枯山水の庭園はもちろん有名ですが, 関東で手軽に行ける場所としては非常にオススメです.
これ以外にも古代ローマを模したステージなどがあり, 歴史好きにはたまらない場所です.
当日はそこそこ暑く, また屋外なので直射日光がキツかったのですが, 少し日陰に入ってこの枯山水的な庭を見ていると本当に少し涼しくなった気分になれます.
まあ本当に暑くなりすぎたらクーラーつけるんですけど, 一応SDGs的なことに関わり始めてしまったので, 少しだけ意識して使用頻度は減らすつもりです…

そういえば以前「セクハラやらパワハラやら…」についてポストしたことがあったのですが, Diversity, Equity & Inclusionの活動をするために様々勉強しておりまして, 知識にアップデートがあったのでそこについても後々シェアしていきたいと思います.

 さて今回は「老害」について語っていきます.
そもそもこれについて考えていたきっかけとしては, 前述のDiversity, Equity & Inclusionの活動をする上で, もちろん障碍者, グローバリズム, 女性の活躍, LGBTQIAなどは分かりやすい指標として日本の大企業とかも取り組んでいる(っぽくしてる)ところではありますが, もう一つ非常に重要な要素として「世代」というのもあるよなと思い始めたことでした.
Intergenerational collaborationみたいなものです.
元々若者としては老害が嫌いですし, William StraussのThe Fourth Turningなんかを読むと, 基本的に世代間闘争というものがあって, 違う世代の人たちって分かり合えないんじゃねと悲観的な姿勢を持っていました.
もちろん全てを分かち合うのは難しいとは思うのですが, 分かり合えるところ, 譲歩できるところ, 互いから学ぶことなど, 世代間ギャップや感情というものをしっかりと棚卸しする必要が出てきました.
そして老害という概念についても棚卸しして, 正しく認識する必要があります.
皆さんの周りにも, 同じ年上でも老害だなと思う人と思わない人, それぞれいると思います.
また老害だと思う点と思わない点のどちらも共存している人もいるでしょう.
ということで, 「老害」というものについて考察していきます.
最初に素晴らしいコラムがあったのでシェアします.

これによると老害とは, 「自分の成功体験の再現性を疑うことが出来ない人」ということです.
自分がかつてうまくプロジェクトを成功裏に終えられた経験を, 外的要因などは全て無視して, 全て俺の努力でどうにかしたんだ!というインプットになってしまうと非常に残念な老害が出来上がってしまうよ, という感じですね.
その時の業界の景気はどうだったのか, 当時も他の方法がなかったのか, 誰かに助けてもらったことはなかったのか, というような様々な要素を因数分解して, 自分とは違うこの人にも同じ努力が望めるかということを意識しないと, バブル時代の自分の経験だけを鼻を高くして若者に押し付けてしまう嫌われる上司になってしまうよ, という話です.
私も営業マン時代に, 当時の支店長から「テレアポしろ, 飛び込み行け」と言わまくって何度かそういうことをやっていたこともありました.
そしてアポが入らない, 契約が足りないのはお前の努力が足りないからだ, 行動量が足りないからからだ, と毎週同じことを営業会議で言われていました.
あなたの時と違って, そもそもテレワークも普及していてそう簡単に会社の外線には繋がらないよね, 業界の成熟度も上がっているからド新規受け付ける確率は下がるよね, そもそも景気的にそこに投資できる段階ではない会社も多いよね, ましてや飛び込みなんて受け付けるビルの方が今時少ないよね(物理的にビル内に入れないなど)という外的要因を全て無視してしまっている…
スキルというか経験として, 一回くらいテレアポをやっといた方が良いだろうというのは分からなくもないのですが, 自分が若い時は10件かけたら1~2件くらいアポが入ってたぞ!ということを毎回言われており, この人頭大丈夫かなと思い続けていました笑 というか何度かちゃんと頭悪いんですか?と確認したのですが, 本当に頭が悪すぎて自分のスタイルを見直すことができなかったみたいです.
あの人ともう一生一緒に仕事をしなくて良くなったのは, 大切な若い時のキャリアを無駄に過ごさなくて良いので本当に救いですね…
これまで, そういった老害の人を「頭が悪い」で私は片付けてしまっていたのですが, このコラムを読んで少しちゃんと理解できた気がします(理解できても今後一緒に仕事したいとは思わないですが).
まあそもそも営業をする偉い人でパレートの法則を知らない人があまりにも多いことに当時驚いたのですが,
パレートの法則知らないんですか?と言っても「いや机の上での勉強とか何の役にも立たんから, 俺が自分の経験でこれが正しいって言ってんだから, その通りやれよ」みたいな感じで, コイツヤバいな笑 と思った人が数名いました…

これに追加で, 別のコラム成功体験よりも失敗体験の方が次に活かせるヒントが満載だよというものもありました.
これは本当に個人的な感想としてもその通りで, 自分や部署の人たちの失敗とそれに対する対策, 周辺知識を組織のノウハウとして蓄積している人たちは本当に強いよなあと思っています.
特にデータ分析の範囲とかだとアルゴリズムとかそのものがそういう作りなので, そもそも顕著に出るよねというのはお分かりいただけると思うのですが, なんでも基本一緒だと思います.
特に経営層に近い人たちには絶対に必須だと思います.
例えば誰か部署内の人が退職したいと言ってきた時に, その人が何に不満を持っていたのか, もしくはどういう考え方やキャリア観を持っていて辞めるのかなど, 学べることは非常に多いと思います.
活躍している若手社員が辞めてしまうのは, もちろん会社の経営としては失敗体験なので.

ということで, 幸いなことに私の所属組織のシニアの人たちはあまり自分の成功体験の再現性を疑わない人, 失敗体験のノウハウを蓄積しない人はあまりいなさそうなので少し安心しています.
もちろんあなたの成功体験はリスペクトしつつも, それはあくまで相対的なものだよという前提で, 色々セッションをしてもらうところから始めたいと思います.
そして若手との交流の機会も設けていきます.
ここである程度成功体験も失敗体験も積んだ上で, 外部にも何かしらの影響を与えていけたら良いのですが…

どうでも良いですが, 最近微妙に逃げたいことがありすぎるので,
逃げたくなる度にLINEの公式アカウントにこの碇シンジ君のスタンプを送りまくって
「逃げちゃダメだ!」マインドを醸成しています笑
ところで今週末からまたシンエヴァを劇場で観ると新たな特典がもらえるみたいです!
これは4回目行ってしまうかな…
ファミリーズ・プラン

ファミリーズ・プラン

 こんばんは, シンです.
東京が緊急事態中で夜酒を飲む場所も限られてしまっているので, Airbnbで部屋を借りて友人としっぽり飲むことにしました.
数年ぶりにAirbnbのアプリを開いたのですが, そういえば日本でエアビーを使うのは初めてだということに驚きました…
そして割りに最近, 数年前に泊まった時のホストからメッセージで,
「久しぶり!あの時のパートナーとはそろそろ結婚かい?」みたいなのが届いており, なんだか悲しい気持ちになりました笑
すみませんあなたの部屋を借りた後に秒速で破局してしまいました笑

バキバキ独身です, とエアビーのホストに返信しようと思い,
なんだかそのメッセージを見た瞬間, この写真を思い出しました笑
「春とヒコーキ」という名前で芸人活動をされている方なので, 是非YouTubeなどご覧ください.
話もそこそこ笑えますよ.
アベプラでバズって以来, かなり有名な方ともコラボしています.

 さあ今回はアメリカのバイデン大統領が発表したThe American Families Plan (ファミリー・プラン)が非常に優秀なのでご紹介します.
簡単にポイントを書くと…
1. 10年で1兆8000億ドルを拠出(日本円にして約200兆円)
2. コミュニティーカレッジ(いわゆるコミカレ)を無料化
3. 託児所の利用料の補助や育児休業をとった場合の賃金の補填
4. 子育て世帯向けに8000億ドルの減税措置
5. 財源は40万ドル以上(日本円で約4, 400万円)の高所得者から取る
という内容です.
SNSなどで反応を見たり, 友人に聞いたりしていますが, これに対して反対している人はほとんどいないですね.
NHKの報道では共和党の保守層が反対していると書いていますが, これもほとんど無視して良いレベルでしょう.
それこそリバタリアンのような一部の小さな政府を趣向する人たちや政局的にバイデン政権に反対することが仕事の人たちはいますし, 私自身も基本的にはリバタリアン的な考え方をすることは多いので賛否は別れるところかもしれませんが, 事実だけで考えるとこれは非常に優秀です.
以下にこのファミリープランの優秀な点を書いていきます.

 まず第一に, 大きな政府への移行を明確に打ち出しているという点.
中国との冷戦状態, GAFAとの対立という文脈で考えた時, 今後の世界が大きな政府になっていくのはある程度仕方ないと思われます.
これにより, レーガン政権以来続いた小さな政府との決別が起こりそうです.
そして共和党保守派が反対しづらい分野においてそれを打ち出したこと.
世界最高峰の戦略家であるエドワード・ルトワック氏は著書『日本4.0』において, 「あなたが真の愛国者かどうかは, チャイルドケアを支持するかどうかでわかる」と述べています.
そもそもリアリズムの考え方では, 国家の行動指針は基本的に国家の存続なので, そのための安全保障政策など, 新しく生まれてくる, 次世代を担っていく子供がいないと始まらないわけです.
地理的に国家が残っても, それを運営していく子供たちがいないのであれば守る必要もないですからね笑
私自身は普通に子供が好きなので子供欲しいなと思っていますが, 国家政策としても非常に重要なわけです.
ミアシャイマー氏のようなリアリストの学者は常々国家のパワーの源泉に「人口」を据えております.
つまり共和党保守派は自称愛国者の人が多いですが, この政敵によって打ち出されたファミリープランに賛成するかどうかという踏み絵を踏まされているわけです.

次にオバマ政権時代の失敗を取り返せる可能性があるということ.
オバマケアによって中産階級の方々の保険料負担が倍増してしまったことは常々悲鳴として叫ばれており, トランプ元大統領が勝利できた要員の一つとなりました.
その時の副大統領はもちろんバイデン氏です.
今回のファミリープランによって, 所得中央値の1.5倍くらい儲けている人まで支援しますよという政策が入っているのですが, これによって, 一人暮らしであれば十分生きていけるけど子供を2, 3人育ててしまったら大変だ…という人を手助けできます.

そして徴収する人を40万ドル以上の所得者にすること.
トランプ政権下で取り逃してしまった本当に金持ちの人から徴収することにより, より平等な社会にする狙いです.
年収4,400万円なんて, 流石にそんなにいない&ここから取っても困らないでしょうことですね.
いくらアメリカと言えど4,400万だったら超もらっている方みたいです, 流石に笑
世帯年収1,200万円以上の家庭に対する子供手当を廃止した日本とは大違いですね…
世帯年収1,200万円って別にそんなに裕福ではないですよねという前提のもと, また子供手当というチャイルドケアを削るという本当に腐った政策です.
そもそも全然足りていないくらい大した金額ではないのに…
前述の書に「高齢化が行き着くと, 国内の雰囲気は保守化し, 悲観的になる. 未来のことを考えない近視眼的な思考がはびこるようになる」という指摘をご丁寧に政治家と官僚が結託して証明してしまっています.

最後にこのファミリープランの優秀なところは, しれっとDiversity & Inclusionを入れてしまっている点です.
支援するコミカレの中に人種的マイノリティの学校も同時に入れてしまうことで, 基盤支持層の心もガッチリ掴んでいます.
このように誰にも文句をつけづらい政策に自分のやりたいことを盛り込むという, 極めて賢い方法論です.
直接的には関係ないですが, 私も最近所属組織の中でDiversity & Inclusionの推進委員のようなものに就任しました.
D&Iのそもそもの意義や方法論について学んでいるところですが, 良い文献などあればご教示いただきたいです.

 ということで今回バイデン政権のファミリープランが如何に優秀かということについて見てきました.
本当にバイデン大統領の下についているスタッフって優秀ですよね.
よく分からない分裂を繰り返している共和党もぐうの音の出ない対中強行策をちゃんと打ち出していたり, 自分たちの支持層もガッチリ掴んだり, ほとんど非の打ち所がないです.
昨年, CSISのレポートで安倍政権下の側近である二階幹事長と今井秘書官が強力なパンダハガーであると名指しで批判されていたのが記憶に新しい方は多いのではないでしょうか.
また数日前の朝日新聞では, 2017年の二階幹事長が訪中した際に習近平氏に手渡した親書の内容が180度書き換えられていたことが明らかにされました. 本当にこんなに表立って売国というか, スパイ工作みたいなことやってしまうんですね笑
まあ安倍総理の退陣により, 今井秘書官を排除できたのは良かったですね. あとは河井案里氏の事件で二階氏を追いやることができれば…それと公明党…
日本の対中政策, コロナ対策, 人口減少対策, どうするのでしょうか…
先は見えないですが, もう少し諦めずにできることをやっていきましょう.

 最後はルワンダでプロバスケット選手としてデビューしたJ Coleに敬意を表して, 新しいアルバムからmy lifeをお聴きください.

Ja Morant on my Grizzly
Beats Solo Pro 3を買ってから, ヒップホップを聴くのが捗って良いです.
Emily in Parisも笑

La petite mort

こんばんは, シンです.今回はタイトルが書きたい内容と一見関係なさそうに見えるのと, これを説明しないと意味の…

老害の正体

 こんばんは, シンです.気づけばもう6月でかなり暑くなってきましたね.まだまだクーラーはつけない予定ですが,…

SNSって癌だな…

 こんばんは, シンです.GWが暇すぎて浜辺で波に乗るか本を読むかみたいな生活をしており, またしても仕事には…

SNSって癌だな…

SNSって癌だな…

 こんばんは, シンです.
GWが暇すぎて浜辺で波に乗るか本を読むかみたいな生活をしており, またしても仕事には全く関係ない知識のアップデートをしてしまいました.
私は人生で迷走するとプラトン先生に答えを求めることが多いのですが, かなり昔にエロース(愛)について語った時のポストの内容は, 解釈が薄いながらもそこそこ間違ったことは言っていなかったという再確認になりました.

また上述の通りGWは暇すぎたので, 図らずも異性の方の色恋沙汰の相談を受ける機会が多くありました.
どうでも良い関係性の方もいますが, 相談してくれた方の一部はちゃんと友人なので表現はオブラートにしましたが, 以前ポストした「コスパ」や「消費」という言葉で少し過激気味に表現した内容が当てはまってしまっている方が多かったのが何とも残念でした…
駆け引きの中で, 戦略のレベルでどうも負けてしまっていることが多そうですね.
年上の女性の方が年下の女の子の相談に乗る時に若干無責任に「安売りしちゃダメよ, 男に追わせなきゃ」と言っている現場に遭遇したことのある方も多いと思いますが, マーケティング戦略で言うところのファン化させる工程を意識できている人が思ったより少ない印象です.
物やサービスを売りたいけど, ただ安く売りつける脳しかないと, 結局のところその人の悩みや人生を一緒に背負ってくれる対等な関係には近づけず, ただのイージーな消費者と生産者(と言うか消費される人)の関係しか築けないですよねという話でした.
GIVE&TAKEの概念を理解していない人は時間や体の安売りをして愛をGIVEしている気になっているのかも知れませんが, 人として相手に何かしらの価値を提供し, その人にプラスの効果をもたらせる可能性を感じさせられなければ(ファン化で言うところの共感させる力に近いです)ただのTAKERでしかないですし, それでは相手も人として向き合おうとは思わないよね, というのが恐らく人の心のリアルなところに近い気がします.
(と偉そうに相談に乗ったり, ここで語ったりしておりますが, 私も迷走中なのであまり正確性には自信ありません. ただ巷に溢れる頭の悪い恋愛コンサル的な人よりは納得してもらえることを言えていたつもりです笑)

昔欧州のどこかで撮ったエロース神の写真です.

 話は変わっているようで少し似た話なのですが, GW頃から業務利用の調査目的でInstagramのアカウントを復活させました.
約2週間ほど使い方を色々検討したり, 人々の行動特性を見ていたりしていましたが, やはりSNSって良くないですね…
以前からTwitterはやっていて, 主に学者の方や企業家の方のTweetを見ている中で, その人の論文やその他の創作物は凄くても, Twitterでの発言が極めて浅はかな内容になりがちな状況を嘆いてきました.
若者のバカッターは有名ですが, 案外Twitterの癌はむしろこちらの方かなと思っています.
若者のバカッターはネットがなかった時代からバカなことをする人がいて, ネット空間という身体の拡張性のある空間でもそれが可視化しているというくらいにしか捉えていませんが, 賢いと思われていた隠れバカが表層化しているのは, Twitterという瞬発力が求められる空間(ROM専の無名の人にはあまり関係ありませんが, そこそこの知名度の方にとっては瞬発力が求められることも多いと考えています)故に, 慎重な思考が抜けてしまって論理が破綻していたり過去の発言との一貫性が取れてなくなったりしている人が多くなっているというディストピアを生み出しています.

そしてInstagramにはまた独特の短所がありますね.
これはある探偵の発言を借りますが, 「見たくないものが見えてしまう」のと「その気になればストーカーが簡単にできてしまう」空間になっているみたいです.
簡単に解説します.
ある程度付き合いが長かったり仲が良かったりという関係性の中では, その人のある程度の行動パターンと思考のパターンは予想がつきますよね. それとStoryの投稿パターンをある程度ウォッチしていれば, 大体どこでどのような行動をしているか大方の検討がつけられるみたいです.
実際にあったらしい例を紹介します.
例えばAさんという人が恋人のBさんの行動をストークしたいという前提です.
Bさんは基本土日休みなので, 金夜と土夜にAさんと会わない時はどこで何をしているか不安になります.
Bさんは同性の友人と一緒にいる時は積極的にStoryにアップすることが多いですが, 何もアップしない週末もあります.
現在のコロナ禍という状況, 昼間はオフィス周りや自宅の写真を結構な頻度で上げるが夜には全く何もアップされないという投稿パターン, 誰かと一緒に飲んでいる写真を上げるほど浅はかではないだろうという思考パターン(コロナ禍で飲んでいることの風評という意味で)を鑑みて, ある金曜日の夜にAさんは, Bさんが異性と飲んだ後にホテルに向かった浮気の現場を突き止めたというお話でした.
どうです?私個人的には, 公開アカウントにしていることによって個人情報がダダ漏れになっている!という表面的な話よりも遥かにグロい話だなと思って聞いていました…

そしてこれが前段の話に繋がってきます.
リンクを貼った以前のポストでは, 「消費されている実態に気付きながら, 自ら消費されている人は賢い」と述べたのですが, どうやらこのSNS時代では必ずしもそうでもないみたいです.
実はこの話には続きがあります… そしてこの話はあまりにもグロすぎるのと文章で綴るのが難しいため, 詳細は述べません.
結論としてBさんは消費されている実態に気づきながら不貞を続けたわけですが, 暫く経って真面目な愛を育もうとしたけども, 不貞に生き続けた過去に足を引っ張られて, 結構な年齢になってからも消費される以外の道に進めていないんだとか…
何だか, 21世紀版の「痴人の愛」みたいなストーリーだなと思いながら, 鳥肌を立てて聞きました…
色々な教訓のありそうな話ですが, とりあえずそんな怖い世界の調査, SNSに慣れてもいないし, 本来調べたいことではないことにこんなに時間を使ってしまうような私にやらせないでくれという気分です笑
というよりも, 私よりももっと上手くSNSの世界で生き抜く適任がいる気がします…
怖い世界ですが, 愛のイデアを極めていきましょう

ファミリーズ・プラン

 こんばんは, シンです.東京が緊急事態中で夜酒を飲む場所も限られてしまっているので, Airbnbで部屋を借…

エヴァンゲリオン終劇…

こんにちは, シンです.いやー遂に終わってしまいましたね, 日本国民の永遠の青春ことエヴァンゲリオン…あ,…

エヴァンゲリオン終劇…

エヴァンゲリオン終劇…

こんにちは, シンです.
いやー遂に終わってしまいましたね, 日本国民の永遠の青春ことエヴァンゲリオン…
あ, すみません既に公開から1ヶ月以上経っているので皆さんの記憶の中でも色褪せてきていますかね笑
それにしても本当に人生の喪失感が凄いです.
あと数年は庵野監督に振り回されていたかったですね笑
そういえば最近は劇場で結構アニメ映画を観ています.
鬼滅の刃に始まり, ヴァイオレット・エヴァーガーデン, 名探偵コナン(緋色の不在証明も緋色の弾丸も), そしてもちろんシン・エヴァンゲリオン.
シンエヴァは3回も観ましたよ…
このペースでガンダム 閃光のハサウェイも観に行くんだろうなーと思いながらGWを終えます.
もちろん, まだやっている内にノマドランドとゴジラvsコングも観に行きますけどね!
実はキングコング大好きなんですよね笑

※※ここからネタバレを含みます※※
いやー, 本当に終わってしまったのが寂しいです.
高校生のときにアニメ版をイッキ観して以来, 旧劇場版, コミック, 序破Q全て何回ループしたか…
結局劇場でリアルタイムで観られたのはQとシンエヴァだけでした.
延期に次ぐ延期で, 前回作品を観てから実に8年が経過しているという.
最早ここ5年くらいは終わらないことがエヴァだとすら思っていました笑
全世界の綾波ファンは全員同意してくれると思うのですが, やはり破は神作で, Qは本当に良く分からなかった. 
Qの設定やシンジくんの立場に立ったときの辛さを鑑みて, 早くやって欲しいとは思うものの, 怖いもの見たさみたいな感情が大半を占めていました.
さあでは観た結果どうだったのかと言いますと, ほぼ100点でしたね!
なんだこの優しいエヴァは!となりました笑

 まず前作でめちゃくちゃ酷評を食らった仮称: アヤナミレイ(通称: 黒波)がちゃんと可愛かったことが評価ポイントです.
個人的には声のトーンが高かった気がしたのですが, それはこれまで初号機に取り込まれてしまった綾波レイ(通称: ポカ波)とは違う人格だということを考慮すれば別に問題なかったです.
第3村での人々との繋がり, 有機的な関わり, アナログな学び, 相補性のあるやりとりを通してアヤナミが成長していく姿は, コロナ禍で人との繋がりが薄れ, またそれ以前からもネット社会の成長とともにリアルの世界での生きづらさを感じていた人々にとって, 非常にグッとくる過程だったのではないでしょうか.
そして最後では皆さん大好きのポカ波も出てきて, ずっと初号機の中に居たとのことでした.
最終的に碇君がエヴァに乗らなくても良い世の中というものを与えられ, 救われました.

ネコを初めて見たアヤナミは可愛すぎて, どうにかなってしまいそうでしたね.
まんまと製作側に乗せられました.

 そして何と言ってもシンジ君の成長.
男性のファンの方は, ご自身とシンジ君を重ねて観ていた方も多いのではないかと思いますが, 私自身もその一人でした.
だからこそアニメ版やQでのシンジ君のウジウジしている姿を見てイライラし, 破で自分の意志で綾波を助けに行ったシンジ君に熱狂したわけです.
ところがQで自分が良かれと思ってやった行動がとんでもないことであり, 誰にも感謝されず, 唯一のよすがだった助けたはずの綾波すらいないという地獄…
シンジ君は本当に辛かったと思います.
ところがまた第3村で, 同級生で成長したトウジ, ケンスケという, カヲル君亡き世においてシンジ君を唯一救ってくれる存在と再会し, 村の人々が愛を紡いでいく姿を見て他者のいる世界を再び望む, そして自分の意志で自分自身が行動をしよう!という気持ちになってくれます.
そして以前は人に言われてもエヴァに乗ろうとしなかったシンジ君が, 自分の落とし前を自分の手でつけます.
以前何かのインタビューに庵野監督が答えていたのですが, アニメが好きな人, エヴァが好きな人がアニメや漫画の世界にのめり込み, 作品が現実逃避のためのツールとなってしまっていることを憂慮していました.
今回はこのシンエヴァを観た人が, 現実世界で頑張ってみよう!と行動を起こせるような作品にしたかった様です.
その中で今回のシンジ君の成長や, ラストの宇部新川駅で2Dが実写の映像に切り替わる演出は視聴者に勇気を与えてくれるものになっていました.

また最終的なヒロインとなったマリは, 元々はプロデューサーの発案で取り入れられたキャラで, 一監督の鶴巻さんが基本的にキャラを作っていったという経緯があります.
彼女の存在, 彼女とのラストというのが, これまで庵野監督の自慰作品と言われていたエヴァンゲリオンを, 他者と生きていく, 他者を受け入れていく, 新しいものを取り入れていくという新たな文脈を加えてくれている大きな要因でした.

やはり破の「綾波を返せ」が私が個人的に一番好きなシンジ君のシーンですね.
もちろん今回の清々しいシンジ君も素敵ですけど.

 いつもメッセージ性の強い作品ですが, 今回はリアルの視聴者に「○○して欲しい」というメッセージが特に強く込められていたと思います.
元々はエヴァが終わってしまったという衝撃を前にして引きこもってしまう予定でしたが, このブログを書いていて私も現実世界で頑張っていこうという気に段々となってきました笑
私も今回の庵野監督の意志を受け取り, 過去に囚われず, 色々と嫌なこともある他者のいる世界というものを前を向いて生きていこうと思います.
皆さんにも, このブログは別に参考にしなくて良いですが, 是非シン・エヴァンゲリオンをご覧になり, 現実世界で前向きに生きていただきたいと思います.
まずは明日から再び始まってしまう絶望的な日常を, 血反吐吐きながら頑張りましょう…

ミャンマー国軍って何がしたいんや!?

ミャンマー国軍って何がしたいんや!?

 こんばんは, シンです.
大変ご無沙汰しております.
ここのところ社会の歯車と化しており, 中々時間を作れずにおりました.
明日は休みを取りましたので, 久々の仕事やミャンマー関連が理由ではない夜更かしができる機会を活かしてポストしたいと思います.

 まず最近思っていることなのですが, URLがスッキリして良いという理由だけで, ここ最近のポストは全てアルファベットのタイトルをつけていたのですが, 読者の方のほとんどが日本語話者であり, 検索のほとんどが日本語で行われているという現状を踏まえてタイトルは日本語に戻します笑
URLは別に短縮すれば良いので…
タイトル繋がりで内容に入っていく前に, このような状況で息苦しさを感じている人, 後ろ向きになってしまっている人, 人を傷つけてしまい自己嫌悪に陥ってしまっている人たちに清木場俊介の「今。」という唄を聴いて欲しいです.
世に良く聞くJASRAC関係の大人の事情でショート版しかYoutubeには上がっておらず, CD音源の方が100倍良いですが, 少しは元気が出るはずです.

https://www.youtube.com/watch?v=yix1_pK1HLc

 さてミャンマー情勢について語っていきます.
どうして今回のクーデター(戦略学的にはクーデターは正しい単語ではありませんが, 便宜上クーデターと呼びます)がなぜ起きたのか, 他の外国勢力の関与は?という点をスッキリ解説してくれている論文が日本語で発表されたのでシェアしますね.
日本におけるミャンマーの政治経済の研究者としては3本の指に入るであろう中西嘉宏先生が6ページでスッキリまとめて下さっています.
簡単に要約すると
①クーデターのきっかけは「国内権力闘争の帰結」
②軍が国内で既得権益を減らしたくなかった, 裏で中国が手を引いているというのはあまり考えられない
③Z世代の抵抗が激しく, 国際社会の目は厳しい
④日本政府はもっと積極的役割を演じよ

というところですね.
この論文や他で入手した情報を元に個々の項目について語っていくのは次回以降に譲りたいと思います.

 さて話は移り先日, 最大都市のヤンゴンから車で1時間ちょっと行ける古都バゴー(Bago)で大規模な弾圧が起きましたね.
およそ80人以上が国軍によって殺害されたとされております.
私が現地で民主化の活動をしている友人から聞いている限りだと, 公式に発表されている人数に加えて何人もの方が亡くなっており, 100人以上はいっているというのが彼らの間では常識となっているみたいです.
バゴーは立地としてはヤンゴンから遠くはないので分からなくはないですが, 他にもかなり田舎なところでかなりの人々が殺されております.
元々ロヒンギャとかなんとか欧米諸国から言われる前から, 国軍と少数民族は何十年も紛争を繰り返しており, その戦闘が純粋に継続している地域もあるのですが, 今回のCDM (Civil Disobedience Movement) を抑え込むために, なんでこんな場所で!?という事件がいくつもあります.
詳しい人から聞いた話ですが, どうやら各地域に市民のCDMを支援している資産家の人たちが各地におり, その資産家の周りに集まっている人たちを一掃する目的でそのような弾圧を行っているようです.
本当に流れてくる動画なんかを見ていても, 国民の命を守るための軍が国民の命をいとも簡単に奪う姿を見るのは非常に辛いものがあります.
そのような動画を直接的にアップするのは悲惨な生々しいものに慣れていない日本人には厳しいと思ったので, アートにして抵抗の意志を表しているYangon.designというイケている人のことを紹介しようと思ったのですが, どうやらバンされてしまったみたいですね…

 現在日本国内でどのように認知を広げていけば良いのだろうか…と日々考えているのですが, 中々難しいものがありますね. AIDMAの法則でいくと, もちろん認知も足りていないのですが, その先のどの段階も足りていないんですよね…

https://torteo.jp/media/atcl-6379/
いやむしろ今でもちょこちょこ報道はされているので, Attentionのところはある程度クリアと看做すべきでしょうか.
Interestを得る工程以降の工夫, Attentionからの繋ぎを考えることに注力すべきなんですかね…
http://www.tosei-sha.jp/TOSEI-NEW-HP/html/EXHIBITIONS/j_2104_kameyama.html
亀山仁さんが中野でやっている写真展, 「日常のミャンマー」です.
先月池袋で在日ミャンマー人が行っていたデモンストレーションの一幕

様々なイベントに顔を出したり, 自分自身色々考えてみて少し分かってきたのは, 「ポップさ」というものが少しキーワードになる気がしています.
自分との共通点と言い換えても良いかも知れません.
上記の亀山さんの写真展について言えば, 写真好きという共通点, 下の写真で言うと, 劇好きという共通点から, 今ミャンマーで起こっている悲劇について, ミャンマー人の心の中で起きている負の感情変化を少し自分事化してもらえないかなと模索しております.

 さて, 日本国内での認知活動については, これからも精進していくということで, 最後にタイトル回収を徐々にしていきます. 結論から言うと回収はしきれません笑
前述の通り, 国軍がクーデターを起こしたきっかけは少し見えてきました.
ミャンマーの国をどう作っていくかと言う, NLDとの権力闘争だと.
そして来週24日にジャカルタで開かれるASEANサミットに, 国軍トップのミンアウンフライン司令官が出席することが発表されました.
クーデターから2ヶ月経ち, 市民の大半が抵抗をやめない, 欧米諸国をはじめとして, 日本やASEANを含む国際社会からは厳しい視線を注がれていると言う現状を踏まえて, また国軍と仲の良い中国がスーチー政権ともしっかりと連携の道筋をつけていたと言う事実が明らかになっていることを受けて, ここで対外的に何を求めているかということはある程度分かってくるのではと思っております.
クーデター後かなり積極的に動いているシンガポールの外相が, 現在のミャンマーの状態に対してASEANが果たすべき役割は大きいと述べておりますので, そこそこ期待したいと思います.
ASEAN憲章の内政不干渉の原則と, 全会一致と言う不完全性, 中国寄りのラオスやカンボジア等の国の存在を踏まえると, 何ができるのかという気持ちにはなってしまいますが…
ただ今はそんな小さな希望にも期待を乗せてしまうほど藁をも掴む状況ですので…
渚カヲル君の「希望は残っているよ, どんな時にもね」と言う言葉を信じましょう.
ミャンマーの暦では新年を迎えたばかりの夜に, 祈ります.

KIRIN and Myanmar

KIRIN and Myanmar

 皆さんこんばんは, シンです.
一昨日は地震大変でしたね. 10年前を思い出しました.
私は奇しくも10年前の震災時と同じ友人の家におり, 少し当時のトラウマを思い出しました.
幸い, 福島にいる仲間も体は無事だった様で, とりあえずは一安心です(職場は物が落ちて大変そうでしたが).
今のところ大きな余震は来ていない様ですが, 少しキナ臭い感じもするので, 念のため備えていましょう.
さあ今回もミャンマーについて語りたいと思います.
前回はクーデターの概要とその戦術的な話に絞って語ってきました.
今回は, 色々また分かってきた情報を元に, ミャンマーの国際関係的な今後の展望と日本の姿勢について述べていきます.

 まずはミャンマーの国際関係的な現状を話します.
アメリカのバイデン政権はミャンマー政府やその要人, また軍関係の企業に制裁を加えることを発表しており, EU諸国も基本的にそれに従う格好となっています.
ただこれは単純にアメリカ国内の資産を凍結したり, 輸出規制をかけるといった限定的なものなので, その実効性も限定的でしょう. ポージングの意味が強いです.
また日本を含むG7としても今回のクーデターへの批判を公式に発表しています.
それに対して中国は公には今回のクーデターに対して厳しい批判はしておらず, “平和的に解決することを願っています”という抑制的な態度を貫いています.
これは, 軍を支援するということを表立って発表してしまうと国際社会から総スカンを食らうだけでなく, ただでさえ中国嫌い率が異常に高いミャンマーの国民感情に更なる油を注いでしまうため, 大したことは言わない様に我慢しているというのが実態と思われます.
前回ポストでは, これまで中国との外国関係のみを実質的に重視してきた軍部の歴史的な姿勢と, 2017年以降のロヒンギャ問題を機に投資額を減らしてきたバカタレ欧米社会, そしてそこに更につけ込んできた中国の話をしました.
つまりこのまま軍政が続くことは, 西側社会からの投資減少, 中国からの投資増加および中国の属国化への道を辿ることを端的に意味します.
それにしても, もうここ数年ずっと思っているのですが, 欧米のアジア政策って, なんでこんなに音痴というかトンチンカンなんでしょうか.
欧米社会がこのままミャンマーが軍政を続ける限り投資をしない!という姿勢を貫くことで, 力の空白に中国が付け入る隙を与えるだけであることがまだ理解できていない様です.
地政学的にミャンマーが中国に取り込まれることのヤバさは以前のポストでも述べましたが, 中国がインド洋を通らず, またマラッカ海峡という地政学上のチョークポイントを通らずにアジアの海の覇権を握る手立てを与えてしまうのです.
そして実際に2017年に雲南省とミャンマー北部の国境を接している部分の資源パイプラインは完成し, 実質的に中国一帯一路の実現に大いなる貢献をしています.

https://www.mof.go.jp/pri/research/conference/fy2019/asean2019_01_001.pdf

このパイプラインの何がヤバいかというと, 中央政府のあるネーピードーや最大都市ヤンゴンは避け, 中央政府とケンカをしていて簡単には手を出せない少数民族の自治政府の管理下を上手く通っている点なんですよね.
もちろん今回のケースは歴史的な関係性が深く関わっているので一概には言えませんが, 中央との関係性が上手くいっていない時に自治体レベルにアプローチするのは中国共産党の常套手段です.
実際ミャンマーの国民達も, その様な軍と中国の関係性を知っているため, デモの中で軍に対してだけでなく中国に対しての批判も数多く行っています.
そして裏に中国がいると気づいている国民は, 徐々に香港やタイなどの若者活動家たちと結託し始めています.
香港が中国共産党によって締め上げられてしまったことは周知だと思いますが, タイでも中国共産党の後押しする軍に抵抗する動きが活発化しており, その中国がバックにいる強硬的な組織に対する活動家たちで国際的な連携を取っている様です.
また東南アジア全体としても, やっとかよと思うのですが, 中国に対する信頼感情が落ち, 米国と日本に対する信頼度が上がっているという報告も出ています.
この動きには僅かながら期待を寄せておきましょう.

 さあここで, 日本について述べていきます.
結論から言うと, 日本勢が取るべき姿勢は, この断絶した欧米系(≒NLD, スーチーさん)と中国系(≒軍)の間を取り持ちつつ徐々に自由化, 民主化に導いていくことです.
これは, 欧米系にも中国にも, 一般のミャンマー国民にもできない, 日本にしかできないであろう大変な仕事です.
と言うのも, 日本は世界でも唯一と言って良いほど, 軍とNLD側どちらにもパイプのある国だからです.
もちろんスーチー氏側のNLDが政権を握ってからも投資を活発化させており, 2017年のロヒンギャ問題が起きミャンマー政府が欧米社会から袋叩きに遭った際にも, 継続して日本政府はある程度の理解を示してきました.
もはや中国にも欧米にもできない役割を, 日本は担うことができるのです(実はこのメッセージはロヒンギャ以降ずっとミャンマー政府が出していたヘルプメッセージでもありました).

https://www.mod.go.jp/j/approach/exchange/area/2017/20170804_mmr-j.html

ミンアウンフライン司令官も当時の安倍総理を表敬訪問しています.
そう言えば先週, キリンホールディングスがミャンマー現地企業との合弁を解消することを発表しましたね.
この是非は, 正直なところ微妙です.
長期的に見れば, まあ民主化を応援すると言うことで良いのですが, 軍と関係のある企業全てを潰すという流れになってしまうと, あまりに劇薬で恐らく一番困るのはミャンマー国民です.
ちなみにキリンとしては, ミャンマーから完全に撤退するわけではなく, 新しい合弁先を探す様です.
ただ, この様に軍を完全に敵に回す形になってしまうと, ミャンマー国内で生き残っていけるのか不安です.
ミャンマーで国軍と上手くやらないというのは本当にかなり致命的なのです.
キリンの合弁ビールはミャンマー国内でビールの8割のシェアを持っており, 私が好きなミャンマービール(Myanmar Beer), ダゴンビール(Dagon Beer), マンダレービール(Mandalay Beer)も全て今後飲めなくなってしまうのでしょうか…
そう言えば現在, ミャンマー人の間ではこの様に軍に関係のある製品の不買活動が盛んになっており, 上記のビールも誰も飲んでいない様です.
そして実際に売り上げもガタッと落ちている.
週末に都内のミャンマー料理屋でミャンマービールを頼んだところ, 店員さんにも隣のお客さんにも少し怒られました笑
今は皆さんアサヒビールを飲んでいる様です.

こちらが問題となったミャンマービールです. 薄くてとても飲みやすいんですよね.

欧米社会は日本の今回の動きに姿勢に対してめちゃくちゃ落胆しており, アメリカ系メディアもヨーロッパ系メディアも日本を批判的に見ているのですが, 中国も日本のことを欧米寄りだー!とかなり批判しているので, 逆に日本の動きをかなり警戒しているのでしょう笑

 今回のクーデターが起きた遠因の一つとして, スーチー氏側のNLDとミンアウンフライン司令官などを中心とする国軍の主流派の人たちの間の関係性が断絶してしまったことが挙げられています.
これまでは前大統領のテインセイン氏などの軍の改革派の人たちがその調整役を担っていたのですが, 2015年選挙でそういった人たちが軒並み落選してしまったんですよね.
なので, この断絶状態を克服し, お互いの対話を調整していくことが日本政府には求められているのです.
タイの状況なんかを見ていると国軍の支配は長く続くのではないかと心配になる方もいるとは思いますが, これまで2011年以降権力移譲に積極的だった国軍の姿勢も鑑みて, 少しオプティミスティックに状況を見ていきます.
現在国軍は, 再選挙と権力移譲を約束しているので(まあこれが国軍の大いなる影響下にある状態で行われたらブチ切れますが), 一旦はそれを少し信じてみようと思います.

COUP D’ÉTAT

COUP D’ÉTAT

 こんばんは, シンです.
大変ご無沙汰しております.
プライベートの方で大変で, また暫く時間が経ってしまいました.
まだまだプライベートの方も落ち着きませんが, 書かないわけにはいかない大変な大事件が起きてしまったので書きます.
ズバリ今回は, 昨日未明に起きたミャンマーのクーデターについてです.
まず1. 概要 について, その後2. 簡単な解説をしていきたいと思います.

 まず1. 概要について.
今回の事件は, まず正確に言うとクーデターではありません.
別に大差はないのですが, 一応国際関係学および地政学などに関わる人間として, そこは明確にしておきたいと思います. 英語, もしくはスペイン語ではpronunciamentoと言います(日本語で何と呼ぶかは知りません).
世界三大戦略家の一人かつ, 世界唯一と言って良いであろうクーデター研究者のエドワード・ルトワック(Edward N Luttwak)氏もTwitter上でそのように述べています.

クーデターと言えるほど計画性があり賢いものではなく, 単に軍隊が議会などに侵攻しただけのぬるいもんだと言うのが氏の考えでしょうか. ※この点, 後で加筆・修正します
この細かい話は置いておいて, ことのあらましを簡単に書きます.
簡潔に書くと, 昨日2/1の早朝にミャンマーの軍隊が国家顧問のアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi) 氏やウーウィンミン (U Wint Myint) 大統領などをはじめとした政府側の要人を取り押さえ, 権力を掌握したということです.
これに伴い1年間の緊急事態宣言が発令されており, 副大統領のユーミンスウェ(U Myint Swe)氏が一旦大統領として君臨するらしいですが, 実質的には軍トップのミンアウンフライン(Mint Aung Hlaing)氏が握ります.
報道を見る限り民間人に死傷者が出ているという話はまだ出ていないですが, 首都ネピドーや中心都市ヤンゴン(ラングーン) では軍が道路を封鎖し, 議会なども抑えているようです.
また夜8時以降の外出を禁止したと, MRTVという国営テレビを通じて伝えた様です.
本来MRTVは国営テレビであり軍とは一線を画しているものでしたが, 現在では軍の持っているMWDと同じ内容を報じている様です.
ちなみに現在は国営テレビ以外の民放は見られなくなっている様です.
一時はネットワークも使えなかった様ですが, 現在は復旧しています.
https://www.mmtimes.com/news/myanmar-announces-state-emergency.html
https://www.bbc.com/news/world-asia-55882489
(一部現地の友人情報)

 次に2. 簡単な解説をします.
なぜ起きたのか, なぜこのタイミングなのか, 何がしたかったのか, このクーデターの評価について語っていきます.
経緯は簡単で, 昨年11月8日に行われた総選挙において, アウンサンスーチー氏が実質的に率いるNLDという政党が約8割もの得票を得たわけですが, それに対して軍はかねてより不正を主張しておりました. そして残念ながら彼ら軍の主張は既に選挙管理委員会によって却下されています.
アメリカ大統領選におけるトランプ陣営と似ており, 彼らは正式な司法の場において決定的な証拠を提示できなかったわけですが, それでもあいも変わらず不正を主張し続けていたわけです.
その不正選挙を主張していた急先鋒が新しく大統領に就任したウーミンスウェ氏であり, 元副大統領です.
彼は元々軍の高官であり, 軍の後押しによりスーチー政権でも副大統領の座に就いた人です.
https://www.irrawaddy.com/news/burma/myanmar-military-seizes-power.html
そしてタイミングも簡単で, ちょうど昨日2月1日が新しい会期初日だったからです.
ここで何もしないで2月1日を迎えるということは, 実質的に選挙結果を認め敗北宣言をしたに等しかったわけです(実際に敗北したんですが, トランプ陣営のQアノンやクラーケン信奉者達の様に, 事実や理論などは通じません笑).

 しかしながら軍がこのクーデターを起こした理由は何だと聞かれると, 正直「分からない」というのが本音です.
上記の様な事情により, 彼らにとって喜ばしくない状況であったことはご理解いただけたかと思いますが, わざわざクーデターを起こす必要があったのか, クーデターを起こして何を実現したかったのかは微妙です.
というのも, 2008年に施行された憲法によれば, どれほどNLDが人気を博しても軍は25%の議席は担保されているからです. そして憲法改正には75%の賛成票が必要であり, 軍の中から造反が出なければ憲法改正などできません.
実際2015年にも選挙がありNLDが大勝しましたが, 一応NLDは法を遵守する意識があるので, しっかり25%の議席は軍が持っておりました.
NHKのバンコク支局の人が, ロヒンギャ問題で海外からの投資が滞っていることに軍が見切りをつけたと言っていましたが, 全然納得できません笑 彼は本当に軍と中国の関係, 西側諸国とNLDが歩んできた民主化の歴史を知っているのだろうか…
BBCではそれでも驚きとして捉えているとは結んでいるものの, 国の父たる軍が選挙でここまで大敗するとは思っておらず, 恥をかいた軍が躍起になってクーデターを起こしたと解説しています. いや, そんなことでこんな国民をますます敵に回す行動を起こすだろうか…
戦前の日本で起きた2. 26事件も似た様なクーデターですが, 今回の件と決定的に違うのはしっかり軍のトップの人たちが先導している形になっていることです.
一般的に軍のトップの人たちは実際の戦場の凄惨さを理解しており, また賢い人たちなので感情に流された非戦略的かつ過激な行動は慎む傾向にあるというのが世界の常識です.
ということで, 正直あまりしっかりとした理由は分からないというのが現状です.

さあ次にこのクーデターを戦略的, 戦術的な観点から評価してみます. ※この章は後に加筆・修正します.
まず戦略的に言うと, 彼らのモチベーションが分からないので, はっきりしません.
明らかになっている情報だけを元にしている限りは, 今回クーデターを起こしたこと自体が戦略で負けているので軍になっているプラス要素はありません.
具体的には, 国家のシンボル的存在であるスーチー氏を捉えたこと, 国民に多大なる迷惑をかけていること, そして憲法が改正される恐れが低いということが挙げられます.
少し陰謀論チックな仮説に基づいた戦略の考察は, 次項に譲りたいと思います.
戦術的には, 冒頭でも述べた通りこれは学術的にクーデターではなく, pronunciamentoと呼びます.
これは聴き慣れないものかとは思いますが, 90年代に南米で起きた物が近く, 軍全体が国家権力を奪うことを指します.2014年にタイで起きたものもこのpronunciamentoに入ります.
クーデターは2.26事件や2016年のトルコで起きたものがクーデター未遂と呼ばれるもので, イメージしやすいかと思います.
こちらは軍全体ではなく, 軍の中の一部が反乱を起こし, トップだけを代えて基本的な国家の運営組織や方法などは変えない物を指します.
ちなみにクーデターが成功し, 彼らの実現したい何かしらが達成できる可能性が低いですが, 今後の進み方次第では案外統治を長引かせることはできるかなと思っています.
現状のショボいところは, ここまで国民を敵に回している事実, 情報統制が甘い, 国家のシンボルたるシュウェダゴンパゴダを占拠していないこと(報道を見る限り)などが挙げられます.
逆に現状で優れているところは, 空港を封鎖し占拠していること, スーチー氏を捕らえていることなどでしょうか.
今後はSNSを禁止にし, 今やっている通りの国営テレビのみを続けること, 中国の全面的な支援を受けること, シュウェダゴンパゴダを占拠し, スーチー氏に軍による統治を認めさせることができれば, 案外成功する可能性はあるかと思って見ております.
簡単にそれぞれ解説すると, 国家のシンボルを陥すことは国民の心を挫くのに有効です. 空港を封鎖することは敵対的な外国勢力(ここでは主に西側諸国)の排除に有効です. 情報統制の効果はお隣の中国をご覧頂ければ明らかです.
案外西側諸国を中心とした国際社会からのバッシングおよびFDI(対外直接投資) の減少は大きな影響を与えないかなと思っています. もちろん国民生活の水準と国民感情は悪化するでしょうが, 何十年にも渡って西側諸国と断絶し中国とのみ非常に仲良くしてきたのが軍です. また経済発展は民度を上げてしまうので, 国民が貧しい方が軍としては打倒の対象にならなくて良いのです.
クーデターの技術的な話については, 前述のルトワック氏のクーデター入門を是非お読み頂ければと思います.

※追記(2021. 02.24) クーデターの戦術的な部分に明らかな認識違いがあったので, 加筆・修正しました.

さあここまで見てきた様に, まだ何が起きているのか, 何がしたいのかははっきり分かりませんが, しっかりと続報も注視していきたいと思います.
日本人にとっても決して他人事ではありません.
このまま軍の統治が続くことは, 前述の通りミャンマーがますます中国に飲み込まれる可能性が高く, またお互いに接近するだけのモチベーションがあります.
一般論として私は独裁が100%悪で民主主義が完璧だなどのナイーブなことを言うつもりはありませんが, 今回はミャンマー国民のほとんどが反対しているという点で, 精神的にはミャンマーの民主化を後押ししていくべきでしょう.
ただ, そのプロセスの点では様々歴史的な背景などがあり, 完全にNLDのみを支援すれば良いというわけではありません.
この支援のプロセスについては次項で詳しく書きたいと思っていますが, まずは私の以前のポストをご参照頂ければと思います.

 最後に, ミャンマーの自由と民主化を祈念して結ばせていただきます.
また次のポストでこの話題について取り上げていきます.
#justiceformyanmar
#save_myanmar

こちらの画像は最近若者を中心に回っている画像です.
New Retro

New Retro

 お疲れ様です.
シンです. またまたお久しぶりになってしまいました.
前回書いたBlack Lives Matter関係の新たな進展があったので書きたいことも多く, また9/11関連で書きたいこともあり, 極め付けは安倍総理の退任と言うことであらゆる自称知識人がやっている様な政権の総括みたいなこともやりたいのですが, 中々時間が取れておりません.
書きたいことは山ほどあるのですが, 今回はタイトルにある”ニューレトロ”について語りたいと思います.
そして最近ニュースの多い自動車業界について.

 元々芸術的な才能が全然ない私ですが, ひょんなことからアートの本を読み, 美的感覚やもっと抽象的な美学といったようなところに興味を持ちました.
最近”できる系”ビジネスパーソン達の間でアートが流行っているんですね.
英米を中心に10年以上前からアートスクールがMBAみたいなプログラムを出していたみたいなのですが, その方面については全くアンテナを張っていなかった私は最近知りました. お恥ずかしい限りです.
ここはできれば心理学的な話と絡めてもう少ししっかりと語りたいので, 今回は割愛します.
さあそんなわけで, 最近アート的な物をよく見ているのですが, 特に”ニューレトロ”というキーワードにとても惹かれています.
まあその名の通り新しくて懐かしいといったコンセプトのことを指します.

一例ですが, スマホの普及によって衰退したカメラ業界ですが, 近年カメラについても揺り戻し需要が来ているらしく, 逆にアナログのゴリゴリの一眼レフが欲しい!と思う人が増えているんだとか.
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63056370W0A820C2TJ3000/
何も統計は調べていないのですが, 確かに肌感覚として男友達を中心に, ガチの一眼買う人増えたなーという印象ではあります.
ちなみにニューレトロはデザインについても使う言葉で, あえて身の回り品を昔使っていたデザインの物にしてみたり, あえて木目のデザインの万年筆を使ってみたり…といったトレンドというかニーズがあるみたいです.

https://hightide.co.jp/newretro/
このHIGHTIDEという企業のニューレトロのラインナップは中々面白いコンセプトなので, 一見の価値ありです(個人的に好きではないですが)!

 さあ美的感覚の話の繋がりで自動車について簡単に語ります.
どのような統計を見ても, 製造業なかんずく自動車業界がかなり大打撃を受けていることは皆さんもご存知かと思います.
しかしこのような逆境に立たされる中, 日産がかなりカッコいい車を発表しました.
その名もARIYA!!

https://www.nissan.co.jp/MS/TOKYO2019/NISSAN-ARIYA-CONCEPT/images/ogpimg.jpg

日産の車で久しぶりにカッコいいと思いましたね.
つい先日KICKSというSUVが出たのですが, クロスオーバー型でランクルやJeepの様なクロカンで4WDのゴリゴリな自動車好きにはヒットしないものでした.
デザインもダイハツのロッキーと何が違うのかよく分からず, ノートやセレナといったe-powerを搭載しているので, とりあえず流行りと得意なものを入れ込んだみたいな中途半端な車となっていました.
ここずっとイケている車が出ておらず, やっぱりエリート集団の日産には, マツダやホンダの様に心から車を愛しているエンジニアは少ないのかな…と落胆していました.
それでも一応得意なこと詰め込んでいるので社運はかかっていると思いますが…あまり売れる気はしていません笑
そんな中, 日産が本当に社運をかけ次世代カーのシンボル的な存在として2021年にリリースするのがARIYAです.
本当にカッコいいの一言です.
少しTeslaのCybertruckみたいな未来を感じるデザインに, E-Powerを搭載し遠隔操作も充実しています.
やはりリモートパーキング機能(車に乗っていないで, 外にいても勝手に駐車してくれる機能)は未来を感じます.
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya.html
そしてアンバサダーに木村拓哉さんを起用し, カッコいいCMを公開しております.
 ‘’逆境に立ち向かう日産と車好きの男達の未来’’的なストーリー性を作り上げて来ました.

やっちゃえNISSANって矢沢永吉っちゃんの名言じゃなかったっけと, Conservativeな人は思っていると予想しております

新宿や渋谷の様な大都市の駅構内や主要な道沿いにも広告を出して, かなりお金をかけて広告を出しております.
元々トヨタのCMに出演しまくっているキムタクを起用するところに本気度を感じますよね笑

ちなみにこの日産の必死に作ろうとしている’’ストーリー性’’は, マーケティング上非常に重要なキーワードだと感じております.
デザインや機能性なんてものは簡単にパクられてしまいますし(散々ARIYAの見た目を褒めていますが), ましてSUVなんて世の中にありふれていますので, それだけでは選ばれない.
ただブランド力とストーリー性だけはパクることはできず, これからの美意識が重視される世界においては決め手となってくるはずです.
AppleのiPhoneもApple Watchも簡単に中国企業にパクられてしまい, 本当に見た目がほぼ同じ様な製品を数分の1の値段で流通させられてしまっているわけですが(そしてもちろん一定程度のシェアは取られる), Appleは今だに世界のテック界のキングの一角として君臨し続けています.
様々な要素が考えられますが, Apple君臨の理由の大きな一部としてブランド力とストーリー性があるだろうと言うことは想像に難くないかと思います.
そしてこのCM, たまたまなのか良く分かりませんが, まさにニューレトロな空気感が満載なんですよね.
日産の未来を全て詰め込んだ様な車なのに, なぜか懐かしいおじさんの日産愛を思い起こさせる作り, 素晴らしいと思います.
前期の決算報告では, トヨタの一人勝ちといった内容で, マーケットや自称知識人の反応もその通りだったかと思いますが, 私は逆張りで日産の復活の兆しを感じておりますし, それを信じております.

I CAN’T BREATHE

I CAN’T BREATHE

 こんばんは, シンです.
最近忙しくて更新ができておりませんでした.
約3ヶ月ぶりのポストとなってしまいましたが, 是非ご覧いただけたら嬉しいです.
さて今回は, かなり遅ればせながらアメリカの人種差別問題に言及していこうと思います.
元々私自身, 差別問題等にはあまり高いアンテナは張ってきてこなかったのですが, 他人事でもないなと思う様になり, 少し様々なメディアを注視していました.
そんな訳で今回は,
①書くキッカケ
②日本での差別問題
③日本人の今後持つべき姿勢
に分けて語っていきます.
終戦の日を迎えた直後に全く違う問題を語るのは大変恐縮ですが, それこそ3ヶ月前からずっと投稿したいと思っていた話題なので, 敢えて今日投稿します.
終戦に関連した話題はまた近日中にアップしたいと思っています.

 まず①のキッカケについてです.
私の記憶の限りでは, このBlack Lives MatterのムーブメントもI Can’t Breatheというキーワードも, 5年以上前からアメリカには存在していました.
現役最強選手でNBAの精神的リーダーであるLeBron Jamesを筆頭にして, NBAコミュニティーはかなり前からこの黒人差別問題を直視しようというムーブメントを起こしていました.

Cleveland Cavaliers forward LeBron James warms up before an NBA basketball game against the Brooklyn Nets at the Barclays Center, Monday, Dec. 8, 2014, in New York. Professional athletes have worn “I Can’t Breathe” messages in protest of a grand jury ruling not to indict an officer in the death of a New York man. (AP Photo/Kathy Willens)
(https://time.com/3624684/lebron-james-i-cant-breathe-eric-garner/)

 そしてそのリーダーであるLeBronが中心となって熱心にこの問題に取り組んでいたこともあり, NBA全体としても長い間バズワードというか, 大きなムーブメントとして, この構造的黒人差別をなくそうと取り組んできました.

LOS ANGELES, CA – DECEMBER 09: (L-R) Nick Young, Jordan Clarkson, Carlos Boozer, Wayne Ellington and Jeremy Lin wear an “I Can’t Breathe” t-shirt to protest the death of Eric Garner at a basketball game between the Sacramento Kings and the Los Angeles Lakers at Staples Center on December 9, 2014 in Los Angeles, California. (Photo by Noel Vasquez/GC Images)
(https://www.cbssports.com/nba/news/photo-kobe-bryant-los-angeles-lakers-wear-i-cant-breathe-shirts/)
Jeremy LinがLakersに所属している時に着ているので, 6年前には流行っていたことが確定しました.

そう, 黒人が大半のNBAなんて, 一番典型的なアメリカンドリームの一つであり, また恵まれない黒人達の憧れの的です.
そして最近八村塁選手がこのBlack Lives Matterのデモに, 所属するWashington Wizardsの一員として参加して精力的に取り組んでいたことが日本のメディアでも大々的に取り上げられたので, 知っている方も多いかと思いますが, NBA選手は今回のこの運動でリーダー的役割を果たしています.
それもこれまで数年間の皆の積み重ねが有ったからこそと言えます.
言わずもがな, Kobe BryantやPaul Pierceをはじめとして, NBAのスター選手たちは私の青春時代のヒーローですから, 以前から普段の差別問題よりも関心を持っていました. もちろん黒人だからヒーローなわけではなく, Steve NashやLuka Doncicの様な白人選手もYao Minの様なアジア人選手も含めて皆ヒーローですが.
そんなわけで, 自然とアメリカのブラックカルチャーみたいなものには何となくの憧れが昔からあります.
HIPHOPを聴きながら, ナイキのスニーカーを履いてストリートを歩くみたいな笑
というわけで基本的にこのBLM (Black Lives Matter)の運動にはシンパシーを感じているというか, サポーターでありたいと思っています.
自分のヒーロー達の為にも.
やっぱり黒人であるというだけで日常的に受ける差別はかなりある様です.
BLM関連で友人から教えてもらったWhen They See UsというドラマをNetflixで見たのですが, やはりこういう事件ってまだまだあらゆる場所であるんだなあと感じました. 黒人であるというだけで少し偏見を持って見られ, 犯してもいない犯罪に巻き込まれてしまうみたいな…

Netflixで観られるので是非観てみてください.
英語だとBAEM (Black, Asian or Ethnic Minority)という言葉があるのですが, やはりマイノリティーの人種に所属しているだけで受ける被害は何かとある.

そしてこのまま②の日本での差別問題に突入します.
実際私も, LeBronが着ているI CAN’T BREATHEのシャツを持っているのですが, 普通に日常的に着ている程度です.
つまりデモ等に参加するつもりはありません.
もちろんコロナウイルスのこともあって人と密集したくないというのもありますが, それ以前にデモ自体に否定的なので.
結局政治で変わって来なかったアメリカの歴史を考えれば, デモ活動をする気も分かるのですが, なんかスマートな感じがしないんですよね.
結局一部が暴徒化してしまい, 元々平和的に確かな信念が有って活動をしている人達の印象すら悪くなってしまうのが, あらゆるデモ活動のあるあるだと感じています.
少し話は変わりますが, 以前韓国で朴槿恵大統領の退陣デモが起きた際に, 「これこそ民主主義の賜物!」とかトンデモ発言をしている自称有識者が結構いましたが, ただの情治主義でしょと思ってみていました. 民主主義ならしっかり法的に認められた選挙プロセスを経てトップ交代させろよ, と.
実際今回もおかしな流れにもなっていて, 建国の父たちの像が軒並み倒されたり, 過去の偉人のあらゆる功績を全否定されたりという風潮が続いています.
ナチスが人種差別をしたから, それ以外の全ての功績を無かったことにする, 経済を回復させたり健康意識を格段に上げたりという功績すら褒めようものなら袋叩きにする, 日本のメディアに似た物を感じます.
ちょっとスマートな流れではなくなって来た感じ.
もちろん奴隷貿易をしていたり, その他の人種差別をしていたのは大問題ですが, 当時の空気感を考慮しないで現代の価値観で全てを評価する姿勢や, それ以外の功績から目を背ける姿勢には違和感を禁じ得ません.
少し話は逸れましたが, だから私はデモに参加する気は一切ありません.
21世紀なんだから, そして集団感染しない為にも, 他の方法で意見を発信しくべきだと考えております.
だからこそ, 今この様に本ブログで語っているというのもあります.

ということで基本的にデモには否定的です.
そして人が集まっている良い感じの映像が撮れるので, そのデモを利用して自分の知名度を上げようとする政治家や活動家, 暴れたいだけの変な奴らもついてきてしまうんですよ.
本当に, デモに参加している議員, 全然黒人文化や歴史に理解のないやつ多いですからね.
そういう奴らの存在って, 実際に被害を被ってきて本気で社会に変わって欲しいと思っている黒人の人達に対してむしろ失礼だと思うんですよね.
別にアメリカでデモが起きるのは理解できるのですが, また日本でも実際に暮らしていて不自由を感じている人達が, 変えようとしてデモを起こすのも理解できるのですが, どうも見ていると関係ない奴らがぶら下がっているみたいなんですよね.
人の不幸を自分の売名行為に利用する様な奴らに対しては本当に怒りが収まりません.

 さて話は戻って日本に住む黒人について.
手っ取り早く2本の動画をご紹介します.

タイトルに騙されることなかれ
一度見て欲しい, 日本の生活の長い黒人のロングインタビューです.
様々な黒人の生活をインタビューした秀逸な作品です.

これらの動画や, 自分の日本在住の黒人の友人(ほとんどバスケ仲間)との話を通して感じるポイントは大きく分けて2点です.
・ ”黒人”であることによる不利益, 差別は特に感じない
・ ”外国人”として, 一般的な日本人とは違うことによる不自由さはある

 ここについては若干語り足りない気もしますが, 敢えてこのまま③の日本人の持つべき姿勢について述べます.
要するに上記の二点を意識して暮せば良いということなのですが, やはり”外国人っぽい見た目の人”全般に対する日本人の感覚は流石に遅れている気がするので, 少し言及します.
単にインフラや行政サービスを多言語化しろ!みたいな表層的なことではなく, 内面的な姿勢は相手が韓国人だろうがベトナム人だろうがインド人だろうがアメリカ人だろうがガーナ人だろうが“ガイジン”と一括りにして, 大多数の日本人の友人に対する態度とは少し違くなってしまいがちだと思うんです.
これは観光客か永住権を持っている様な長期滞在者かでも少し違って来ますし, 日本に親和的な国からの人かどうかで, どうしてもバイアスがかかってしまう現実もあるとは思うのですが, できるだけ一般化して話したいと思います.

まず外国人に関して考える前に, 日本人でも本当に様々なバックグラウンドを持ち, 性格も違うという前提を皆が理解する必要があると思います.
分かりやすく琉球民族の友人や在日朝鮮人2世の友人が居たりすれば理解は早いとは思うのですが, 同じ日本人でも所得や学歴, 出身や思いの伝え方などかなり違います. 特に田舎に行くことの多い私としては, 時間の流れ方がマジで違うことに日々良い意味で刺激を受けて居ます.
そんな多様な隣人に恵まれてきたからこそ, 外国人の隣人ともお互いの個性をリスペクトし合いながら生きて来られたのだと思っています.
外国人だからということで良くも悪くも特別扱いをするということは, 逆にその人の内面的な個性を無視してしまうという失礼なことにもなりますし, また日本国内に”外国人コミュニティー”や”◯◯人コミュニティー”というものを形成させやすくなってしまい, 無意識の内に民族による分断の様なものを引き起こしてしまう遠因にもなります.
トランプ政権の誕生によって大手メディアが騒ぎ出した国内の人種による分断, フランスを中心としてヨーロッパでも既に数年前からかなり表層化している分断, これに近いものが日本国内でも起こりつつあると感じています.
特に私は在留外国人と接する機会が多いので, 朝鮮人コミュニティー, 中国人コミュニティー, インド人コミュニティー, ネパール人コミュニティー, ベトナム人コミュニティー, ミャンマー人コミュニティー, ブラジル人コミュニティーなどかなり多くのコミュニティーと触れて来ました.
コミュニティーがあること自体は決して悪いことではないですが, その人たちだけで固まり続け, 日本の既存のコミュニティーと交わろうとしない人達が多いのも現実です.
その人達の姿勢にも大いに問題はあるものの, 彼らにその様な生活を強いているのも, 我々一般の日本人の言動に原因があると思うのです.
ですから, 隣人に自分とは違うバックグラウンドを持った人がいるという環境に, 精神的に慣れていく, そして誰に対しても個性をリスペクトし自分と同じ価値観を持つことや同じ言動をすることを強いないこと, それが大事です.
内側からしっかりと正面から向き合って, 人として信用できなかったり合わなかったら別に良いんです.
結局は私が以前からずっと言っている”個をリスペクトすること”が全てに繋がっているのだと改めてお伝えしておきます.

 またここでは割愛しますが, BLM運動に付随して, George Floyd氏と加害者の警官が元々同僚であったこと, アメリカの警察官が日本で言うバイトの警備員感覚でできてしまう問題など, 関連する様々な問題点が浮上して来ました.
ここについてもいずれ触れられたら嬉しいと思っています.

追記: 原宿の竹下通りにいる黒人の強引なキャッチや, ナイトクラブの警備員にいる黒人達をどう考えるかと言う議論を友人としました.
彼ら自身, 「黒人は怖い」といった一般的な日本人のイメージを利用してその仕事に着いているので, 差別的とは言えないかなと思うと共に, 別に何人でもキャッチはうざいし, ガタイの良い警備員は怖いので, 一番打率が高いということで黒人になる確率が高いものの, 黒人に限定された話ではないので, 本質的に本ポストの論旨と相反するものではありませんでした.

最後に, 日本で育ったカメルーン人の親を持つ星野ルネさんについてご紹介します.
何となく私も以前から存在だけは知っていたのですが, ここ最近かなりメディア等でも取り上げられていて話題になっているので, 皆さんもご存知の方が多いかと思います.
ルネさんは幼少期から日本にいるので, ③で述べた通り, まだまだ理解の少ない日本人と一緒に生活している上で数々の不自由を被ってきた方ですが, 持ち前のポジティブさでその自身の経験をコミカルに漫画にしています.
この様な方がいることに感謝しながら, そしてルネさんの様な方々が日本で活躍していける様に我々もより良い環境を作れる様努力していきましょう.
ルネさんの漫画やリンクを貼った動画と共に, このブログも一つのヒントに成れば嬉しいです.