カテゴリー: 映画

エヴァンゲリオン終劇…

エヴァンゲリオン終劇…

こんにちは, シンです.
いやー遂に終わってしまいましたね, 日本国民の永遠の青春ことエヴァンゲリオン…
あ, すみません既に公開から1ヶ月以上経っているので皆さんの記憶の中でも色褪せてきていますかね笑
それにしても本当に人生の喪失感が凄いです.
あと数年は庵野監督に振り回されていたかったですね笑
そういえば最近は劇場で結構アニメ映画を観ています.
鬼滅の刃に始まり, ヴァイオレット・エヴァーガーデン, 名探偵コナン(緋色の不在証明も緋色の弾丸も), そしてもちろんシン・エヴァンゲリオン.
シンエヴァは3回も観ましたよ…
このペースでガンダム 閃光のハサウェイも観に行くんだろうなーと思いながらGWを終えます.
もちろん, まだやっている内にノマドランドとゴジラvsコングも観に行きますけどね!
実はキングコング大好きなんですよね笑

※※ここからネタバレを含みます※※
いやー, 本当に終わってしまったのが寂しいです.
高校生のときにアニメ版をイッキ観して以来, 旧劇場版, コミック, 序破Q全て何回ループしたか…
結局劇場でリアルタイムで観られたのはQとシンエヴァだけでした.
延期に次ぐ延期で, 前回作品を観てから実に8年が経過しているという.
最早ここ5年くらいは終わらないことがエヴァだとすら思っていました笑
全世界の綾波ファンは全員同意してくれると思うのですが, やはり破は神作で, Qは本当に良く分からなかった. 
Qの設定やシンジくんの立場に立ったときの辛さを鑑みて, 早くやって欲しいとは思うものの, 怖いもの見たさみたいな感情が大半を占めていました.
さあでは観た結果どうだったのかと言いますと, ほぼ100点でしたね!
なんだこの優しいエヴァは!となりました笑

 まず前作でめちゃくちゃ酷評を食らった仮称: アヤナミレイ(通称: 黒波)がちゃんと可愛かったことが評価ポイントです.
個人的には声のトーンが高かった気がしたのですが, それはこれまで初号機に取り込まれてしまった綾波レイ(通称: ポカ波)とは違う人格だということを考慮すれば別に問題なかったです.
第3村での人々との繋がり, 有機的な関わり, アナログな学び, 相補性のあるやりとりを通してアヤナミが成長していく姿は, コロナ禍で人との繋がりが薄れ, またそれ以前からもネット社会の成長とともにリアルの世界での生きづらさを感じていた人々にとって, 非常にグッとくる過程だったのではないでしょうか.
そして最後では皆さん大好きのポカ波も出てきて, ずっと初号機の中に居たとのことでした.
最終的に碇君がエヴァに乗らなくても良い世の中というものを与えられ, 救われました.

ネコを初めて見たアヤナミは可愛すぎて, どうにかなってしまいそうでしたね.
まんまと製作側に乗せられました.

 そして何と言ってもシンジ君の成長.
男性のファンの方は, ご自身とシンジ君を重ねて観ていた方も多いのではないかと思いますが, 私自身もその一人でした.
だからこそアニメ版やQでのシンジ君のウジウジしている姿を見てイライラし, 破で自分の意志で綾波を助けに行ったシンジ君に熱狂したわけです.
ところがQで自分が良かれと思ってやった行動がとんでもないことであり, 誰にも感謝されず, 唯一のよすがだった助けたはずの綾波すらいないという地獄…
シンジ君は本当に辛かったと思います.
ところがまた第3村で, 同級生で成長したトウジ, ケンスケという, カヲル君亡き世においてシンジ君を唯一救ってくれる存在と再会し, 村の人々が愛を紡いでいく姿を見て他者のいる世界を再び望む, そして自分の意志で自分自身が行動をしよう!という気持ちになってくれます.
そして以前は人に言われてもエヴァに乗ろうとしなかったシンジ君が, 自分の落とし前を自分の手でつけます.
以前何かのインタビューに庵野監督が答えていたのですが, アニメが好きな人, エヴァが好きな人がアニメや漫画の世界にのめり込み, 作品が現実逃避のためのツールとなってしまっていることを憂慮していました.
今回はこのシンエヴァを観た人が, 現実世界で頑張ってみよう!と行動を起こせるような作品にしたかった様です.
その中で今回のシンジ君の成長や, ラストの宇部新川駅で2Dが実写の映像に切り替わる演出は視聴者に勇気を与えてくれるものになっていました.

また最終的なヒロインとなったマリは, 元々はプロデューサーの発案で取り入れられたキャラで, 一監督の鶴巻さんが基本的にキャラを作っていったという経緯があります.
彼女の存在, 彼女とのラストというのが, これまで庵野監督の自慰作品と言われていたエヴァンゲリオンを, 他者と生きていく, 他者を受け入れていく, 新しいものを取り入れていくという新たな文脈を加えてくれている大きな要因でした.

やはり破の「綾波を返せ」が私が個人的に一番好きなシンジ君のシーンですね.
もちろん今回の清々しいシンジ君も素敵ですけど.

 いつもメッセージ性の強い作品ですが, 今回はリアルの視聴者に「○○して欲しい」というメッセージが特に強く込められていたと思います.
元々はエヴァが終わってしまったという衝撃を前にして引きこもってしまう予定でしたが, このブログを書いていて私も現実世界で頑張っていこうという気に段々となってきました笑
私も今回の庵野監督の意志を受け取り, 過去に囚われず, 色々と嫌なこともある他者のいる世界というものを前を向いて生きていこうと思います.
皆さんにも, このブログは別に参考にしなくて良いですが, 是非シン・エヴァンゲリオンをご覧になり, 現実世界で前向きに生きていただきたいと思います.
まずは明日から再び始まってしまう絶望的な日常を, 血反吐吐きながら頑張りましょう…

自然との距離感

  こんばんは, シンです.
最近髪がウネウネなので美容院に行きたいのですが, 残念ながら私がいつも行く美容院は休業中…しかもその町は休日に今だに人がたくさん出歩いている!!と大きく批判されています.
周囲の批判自体はどうでも良いのですが, そんなに人が出歩いている町に行くのは少し気が引けますよね…
さあ今回も一つのテーマについてのみ語ります.
ズバリ, 「自然と人間の距離感」についてです.
実はずっとコロナに関係ないトピックで語りたいと思っていたのですが, そのトピックが一々重くて, 色々エビデンスを調べるのに一苦労していました.
ですがこのトピックを考えついてからはスラスラ作業が進んでいます!
(その他のトピックも下調べをちゃんとやりますよ)

 昨日, NHKスペシャルで『ヒグマと老漁師』と言う特集を観ました.
この番組が非常に秀逸だったので少しご紹介します.
https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2020-04-19&ch=21&eid=15704&f=46
知床に住む84歳の老漁師が, ヒグマをこらっ!と叱りつけるシーンがなんとも面白い番組です.
ご存知の通り, 知床はUNESCOの世界自然遺産に登録されています.
世界遺産に登録されると, UNESCOから色々口出しされるわけですよ.
自然の景観や生態系を保つために, 橋や道路を撤去しろ!とかなんとか…
漁師さんからとったら, その道路は仕事(漁や物資輸送等)で使うため, 非常に大切なものなわけですね.
当然, UNESCOの委託を受けたアメリカ人の環境保護活動家の人と漁師の話は平行線を辿るわけです.
そこで, その話し合いの場所である川原で, アメリカ人には驚きの光景が写ります. なんと人のすぐ近くまでヒグマが訪れて, 人を襲うでもなく, 怖がるでもなく, ノソノソと歩いているのです.
アメリカでは考えられない光景に, そのアメリカ人活動家もびっくり.
人間と動物, 人間と自然界の距離感, これは俺たちの持っている概念と違うぞと.
この人たちはもしかして, 上手く共生しているのでは?
と言う考えが生まれます.
このシーンを観ていて, あー, 確かに日本人古来の自然との距離感は独特なものだったなあと, ふと色々なことを思い出しました.

 まず思い出したのが, 2年ほど前に東北の某所でマタギ体験をした時のこと.
ここでは実際にマタギの方の家に泊まっていたので, マタギの歴史や, どのような思いで猟をするのかを聞く機会に恵まれていました.
もう記録が残っているか定かではない古来から, その地ではマタギをしており, 山の命を戴き, 山の自然に感謝し,自然を畏れ, 山で祈りを捧げ, 山に還元し, 自然と共に生きているのだと聞きました.
ちょうどこの数ヶ月前に, 古事記や日本書紀等を猛烈に勉強し, 海外の青年に日本文化として, 「人間は自然を畏れ, 自然の下に生きてきたんですよ」と言う発表をした後だっただけに, かなり身に沁みたのを覚えています.
コンセプトとして, 字ズラで考えていたものに, 生の体温を吹き入れられた気がしました.

それはそれは, 雪の深い場所でした.
ここでウサギとか追い回したなー.

 少し脱線しますが, ジブリの名作『風の谷のナウシカ』と『もののけ姫』を観られた方も多いと思います.
どちらも主なテーマは自然との共生ですよね.
ここでは語りやすいので主に『もののけ姫』について語ります.
物語の中心となるたたら場. これは中世に日本中に実在した, 製鉄所のような場所です. 砂鉄から鉄を取り出す場所であり, 大量の木炭が必要となるので, 木を切り崩すんですね.
それで森を破壊した人間に対して, もののけ(動物達や自然)が逆襲をすると言うストーリーです.
シシ神様たちがタタラ場を襲った後, その地には自然が戻ります.
タタラ場はまた町を興そうと, サンたち(自然側)はまた森に帰る.
その間を今後も頑張って取り持とうとするのはアシタカと, という奇しくも東の未開の地(エミシ)から来た若者. という象徴的な終わり方でした.
詳しく見ると, 新たに生えてきた木々は元の原生林ではなく, 雑木林なんですね.
雑木林と言うのは, 人の手によって管理された森なんです.
ここに, 共生の難しさを物語るものがあるな…としんみりとします.
ちなみに『風の谷のナウシカ』では, 王蟲たちがRock the worldして人々をdominateすることから(ナウシカの存在のお陰で最終的には森に帰って行きますが), 「自然崇拝」の姿勢が最後まで貫かれます.
ここに宮崎駿先生の初期作品と, その約10年後に出るもののけ姫との間の大きな違いがあります.

https://cinema-press.com/?p=1040

 このジブリの例を長々と書いて何を伝えたかったかと言うと, 日本には古来から, 独特の自然と人間との共生の仕方があったんですね.
それこそ, キリスト教文化圏のような「人間>動物」みたいな世界観に生き, 動物からは必ず安全な距離を確保する様な人からは理解できないような, アニミズムならではの素敵な世界観があるわけです.
知床の老漁師も, あれはアイヌの影響なのか古くからの日本文化の名残なのかは分かりませんが, 感覚的に日本人が共感できるであろう, 特に馴れ合うのでもなく, ただお互いに敬意を払い合っている様な, 不思議なヒグマとの距離感の中に生きている方でした.
ちなみにアシタカもエミシ(蝦夷)という, 当時北方の地を指す意味の土地出身です.
都会に住んで潔癖症のお前が言うなという批判は甘んじて受けますが, 今回自分の身の振るい方を見直すきっかけになりました.
この投稿が, 読者の皆さんが自然との距離感を見つめ直すきっかけになれば嬉しい限りです.

 最後に参考文献の紹介です.
①浦谷年良『「もののけ姫」はこうして生まれた』
https://www.amazon.co.jp/-/en/dp/4198609306/ref=sr_1_8?dchild=1&keywords=%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%AE%E3%81%91%E5%A7%AB%E3%81%AF%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%97%E3%81%A6%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%9F&qid=1587311344&s=instant-video&sr=8-8
もののけ姫の背景や裏設定などが分かって楽しいです.
もののけ姫は今回語った主題だけでなく, 人身売買, ハンセン病差別など, 現在でもホットなテーマが散りばめられた奥深い作品だということが分かります.

②柳田国男『山の人生』
https://www.amazon.co.jp/-/en/dp/400331381X/ref=sr_1_1?dchild=1&keywords=%E6%9F%B3%E7%94%B0%E5%9B%BD%E7%94%B7+%E5%B1%B1%E3%81%AE%E4%BA%BA%E7%94%9F&qid=1587314818&sr=8-1
それこそ民俗学的に, この山で生活する人々の生活や, 伝説・伝承をまとめている紀行文の様な作品です.
一緒に入っている『遠野物語』はもちろん民俗学の基本書です.

やっと映画JOKERを観ました

 一週間お疲れ様でした, シンです.
やっと今夜レイトショーで映画JOKER(ジョーカー)を観ました.
巷で流行っているのかは分からないですが, 私の周りの特に映画好きな女の子たちの間でとても話題だったので, 連れられて観に行きました.
これは, 日本で絶対ヒットするやろなあと直観的に思いました. もちろん私にとってもかなり印象に残りました(本当にヒットしているんですね, 世界的に).
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1216824.html
https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1215282.html

 周囲がキナ臭いというか, あまり希望の見えない雰囲気に飲み込まれいる状況下で, 自分自身がずっと受け入れらていない, 社会から認識すらされていないと感じ続けていたら, きっかけさえあれば今どき誰でもジョーカーになり得るなと思いました.
私自身もジョーカーにならないなんて自信を持って言えないですし, 逆にジョーカーにならない保証のある人なんてどれほどいるんでしょうか.
ジョーカーに乗っていく野次馬には絶対になりたくはないし, なんならクソだと思うけど, ジョーカーの気持ち, 分からなくないんですよね…

ましてやあの歳で自分が養子で, 母親がextremely bizzareやdellusional(確か虚言症だったか妄想癖)と診断されていたいう, 自分の生い立ちに関する衝撃的事実が発覚してしまったら, 耐えられるわけないやろ. しかもその妄想癖は自分にもしっかりと受け継がれている.
あれ, 鳥肌立ちませんでした?娘連れの黒人の女の子とデートしていた描写が全てジョーカー(アーサー)の妄想でしかなかったとき…
あ, あとずっと好きだったテレビ番組のアンカーの人, ロバートデニーロの役の人に笑い者にされたのも大きかったのかな.
改めて, ジョーカーを生み出してしまったのは, 社会でしかないんやな, と思いましたわ.
結局父親は分からなかったですが, 異常があると分かっている親に育てられ, 貧困のまま救済されないまま, 障害を患いながら一度も社会の一員として認められなかったわけだもん.
というよりも, これ, 今我々が生きている社会と何か違います?
絶対似たような息苦しさを感じている人多いでしょ?
トランプ旋風もBrexitも, 本質的にこのような想いを抱えている人たちが多いことによる結果でしょ.
中盤の方でアーサーの日記に, このように書いてあったのですが, なんだかとても頭に残って離れないんですよね…
The worst part of having a mental illness is people expect you to behave as if you DON’T. -精神障害を患うことの最悪な点は, 人々が自分に対して精神障害を患っていないかのように振る舞うよう求めてくることだ-
Twitterとか見ていると, どんなことがあっても殺人はいけない!とか言うバカがたまに湧いているのですが, そう言う上辺のhypocratはしっかりシカトしましょう. 犯罪だからダメとか言う思考停止するのではなく, どうしたらこのような状況を作り出さずに済むのかを考えるべき.
なぜなら, これは決して他人事で終わる話ではないから, 全員にとって.

 もう一つ印象的だったのは, 悪のシンボルとなったジョーカーが逮捕され, 暴動の起きるゴッサムシティをパトカーに乗って移動しているとき.
何か言葉にはできないですが, 非常に重たい気分になりました.
その時BGMで流れていたCreamのWhite Roomの作り出す怪しく怒りを含んでいるような空気感もあるのかな.

Gary GlitterのRock And Rollや, Frank SinatraのThat’s Lifeも好きですが, このCreamのWhite Roomは個人的に, 一番映画の暗くて重苦しい雰囲気に合っている気がします.

 以前からEric Claptonのファンの私としては, クラプトンの生き様が少しジョーカーに重なって見えました. それもあってとても印象に残ったのかな.
別にクラプトンは悪党と言うわけではないですが, 商業的成功と共にドラッグなどの悪事を長年やってきたんですね.
クラプトンに限らず当時のロックスターは, まさに悪のカリスマ的な性質があったんですね. ロックと言う音楽自体が社会への反動から生まれているものですし.
実はGary Glitterもスッゲー悪いやつなんですが笑 私は個人的にクラプトンが好きなのであえて今回はクラプトンにフィーチャーしました.
ちなみにクラプトンの人生について知りたければ, 昨年公開された伝記映画
”Life in 12 Bars”を観てみてくださいな. 私は少し退屈で寝てしまいましたが笑

若干このTrailerも退屈ですね笑
伝記映画だと仕方ないのかな…

イデオロギー的には結構リバタリアン的な発言をすることの多い自分ですが, メンタル的には常にアーサーやアーサーのような人間に寄り添っていたいなという自分の姿勢を改めて確認しました.
重いですが, 是非皆さんにも一度は観てもらいたいです!

プラトニックラブ

 お疲れ様です. シンです.
暫く更新できておりませんでした.
何と最近, 休日の半分ほどの時間を仕事に費やしているため, 中々仕事以外のインプットや, こういうアウトプットの機会を作れておりませんでした.
以前のブログ
https://sh1nk1ba.com/2019/08/16/%e5%90%8d%e6%8e%a2%e5%81%b5%e3%81%ae%e6%8e%9f/
でも少し触れたかと思いますが, 私はワークライフバランスとかどうでも良いと思っていて, むしろワークアズライフの考え方の方が近いので, 別にずっと仕事しているのは問題ないのですが(もちろん仕事が好きという前提があるわけですが), 自己成長させる時間を作れていないのは問題だなあとしみじみ感じています.
仕事関係の飲み会は少なくとも減らしたい…単純に今月, 肝臓が悲鳴をあげているので笑

 さあやっとプラトニックラブについて書きます.
以前https://sh1nk1ba.com/2019/09/09/%e3%82%a8%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%b9%e6%84%9b%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/
エロースについて書きましたが, 今回はその話を受けてのポストになります. 
前回ポストでは, おっさんと少年の間の愛が一番エロい!と書きましたが, なぜあれが一番エロいのか, 最上の愛なのか.
答えは単純で, 両者の間に「知の交換」があるからです.
おっさんはおっさんの知識や経験から培った処世術のようなものを教える, そして少年は崇拝や美を捧げる.
そしてその知のやり取りから, 愛のイデアを感じる.
ここでいうイデアというのは, 簡単に言うと神々の世界, 愛そのものであり, 美そのものです.
人間界のそこら辺に転がっている俗的な意味の愛ではなく, 愛そのもの. 人間がかつては全きもの(神に限りなく近い)存在であったとされており, それに対する情景と追及をするものなんですね.
そしてイデア界を見ることができるのが哲人たち. そのイデア界への憧れを忘れず, そこに近づこうとするからこそ, 賢くなろう!と言う発想なんです. そして賢さこそがエロス(愛)なんだ!という発想になります. つまり賢さ≒愛なんです. 
プラトニックラブは, 学の足らない現代日本人の間だと, 手も繋がない, キスもしない, セックスもしない愛という風に勘違いされていますが, 重要なのは肉体関係があるかどうかではなく, 知のやり取りがどれだけあるか.
肉欲が最初に来るのはもちろん良くないですが, 実際古代ギリシャのおっさんと少年は結構やりまくってたみたいだし笑

 かなり時間が経ってしまいましたが, 私がこれについて書きたくなったのは, “Before Sunrise”という映画を観て, プラトニックラブに近い愛のカタチを感じたからです.

言わずと知れた3部作ですが, 私は3作の中でダントツでこれが好きです.
電車内で会った若い男女二人が, 突然ウィーンで降りて, ひたすらべちゃくちゃ喋りながら夜更けのウィーンの街中を明け方まで歩き続けるだけ, という映画です.
「だけ」というとつまらなそうに聞こえますが, ウィーンの荘厳な街並みが作り出すミステリアスな雰囲気と相まって, 本当にキュンとくる映画です.
ウィーンの街に辛い思い出がある私がここまで褒めるんですから, 間違いないです!笑 ←詳しくは語らないですが…
ここで大事なのは, 二人はただただ好きな本や死後の世界, 音楽などについて話しているだけなんです. 別に趣味がすごく合うわけでもなく, むしろほとんどお互いの意見を言って少し議論した後に別の話題にいく… (あ, ちなみに最後の方でヤっちゃってます笑, まあ何度も言っているようにそこは大事ではないですが)
でもとてもそこで交わされる会話の中に, なぜか二人の間にあるとても美しい愛を感じるんです. そこで感じたんです, あーこういうのが, 知のやり取りから開けてる愛のイデアなのかなーみたいな.
実際イデアって言われても実感湧かないじゃないですか, 頭では理解できても, 別に感情的には納得できていないみたいな.
でもこの映画を観て, 若干プラトニックラブを, イデア論を心で捉えることができたような気がしました.
本作はベルリン国際映画祭でBest director賞を受賞しており, 各方面からとても高い評価を受けているのですが(そもそもこう評価じゃなきゃ3部作にならないですし), この映画が評価されるのってすごいなあ, 聴衆の目は肥えているなあと実感しました. 
本当にアメコミみたいなキャッチーなカッコよさとか感動ポルノ的な要素全くないんですよ. まあウィーンはロマンティックだけどさ…私以外には…
これが日本でのみリリースされていたら, どれだけの興行的成功を納めていたのかなあ…まあ売れても, 街並み素敵~とか, ロマンティック~とかいうティーネイジャー的評価しか受けられなかった気がします…

 ということで, みなさん一緒にトゥルーラブを見つける旅を頑張りましょう!